固定費

次のテーマは、様々な支出の中の固定費についてです。

予算の場合は、期間と収支金額の全体額を比べることによって、一定の金額に落ち着いていくという現象がみられました。

そして、今回のテーマは、支出金額をもっとこまかく、科目ごとにみてみると何かがわかるのでは、というお話です。

固定費

支出科目ごとという狭い範囲での分析になりますが、やはりここにも、一定の法則のような現象が存在します。

どのような現象なのかというと例えば、科目を一つ挙げると、収支項目分類一覧のページの一番下、コード073の公的年金保険料科目、いわゆる国民年金保険料の科目で、年金の支出が発生した場合、この科目を使用して記入をすることになるのですが、この支出の金額は毎月13400円と一定です。

このように、家計簿を付けていると、月または週ごとに、毎回支出される金額が一定で、また生活の活動、使用量、忙しさなどに、まったく関係がなく必ず出て行く性質の支出があることに気がつきます。

予算のときと考えは同じですが、予算の場合は、金額に多少の幅がありましたが、この性質の支出は、金額も毎期ごとに同じで、時間の経過と共にあたかも固定されているかのように支出されています。

このような、使用量に関係なく、ある期間ごとに一定額発生する支出のことを、固定費または固定支出といいます。

こうした一定額の定期的に発生する性質の支出、固定費は、さまざまな支出がある中で、固定的な性質の支出があるという、一つの分類方法であって、何かの新しい費用が増えたということではありません。

また、この固定費を定義するのならば、

  1. 使用頻度、利用度に関係なく、時間の経過に伴い発生する支出
  2. 金額がほとんど変化しない、同額・定額

ということがいえます。

国民年金保険料の場合も、一ヶ月という時間の経過により支払うことになっていて、支払金額がほとんど変化しませんね。

また忙しくて家に帰る暇がなくても、逆に一ヶ月間家でゴロゴロ寝ていても、必ず金額は一定です。(厳密には2005年4月から毎年280円づつ引き上げられることになっています。)

これが固定費の基本的な概念になります。

では、この国民年金保険料のほかに、固定的な性質を持つ支出はどのようなものがあるのかというと、生命保険契約料、新聞購読料、NHK受信料などなど・・・がありあます。

<様々な固定費>
公的なもの
国民年金保険料国民健康保険

など
それ以外のもの(支出発生は任意)
生命保険新聞購読料NTT加入電話基本料金表
インターネット接続料
(定額制の場合)
クレジット返済
(リボルビング)
住宅ローン
(毎期均等額)など

新聞購読料は新聞を読んでも読まなくても、毎月の支出は発生することになりますし、同様に、NHKテレビ放送を24時間毎日見つづけた月も、反対に一秒も見ない月も、利用の有無にかかわらず毎月の支出は同じ金額が発生します。

参考NHKインターネット営業センターNHK受信料の窓口へ

このことから固定費は、いったん発生することが決まってしまうと、なかなか削減させるのがむづかしく、また支出の金額が一定なので、「食費がないから今月はカップ麺で過ごす」といった、支出金額をコントロールをするといった意思決定をすることができない、という性格の支出でもあります。

また、生活をしていく上で利用の有無に関係なく必ず発生するということから、計入制出や金持ちの公式をふまえて考えてみた場合、支出が収入を上回ることは好ましくなく、なるべく排除していかなければなりませんから、発生してしまう固定費をしっかり支払うことができるような収入を、必要最低限稼いでいかなければいけない、ということもいえます。